2022-01-01から1年間の記事一覧

絵本『こいぬのうんち』について

実家を出てから、今ではほとんど開くこともなくなってしまったけれど、時々ふとした瞬間に─眠る前に母が読み聞かせをしてくれたこととともに─絵本のなかの物語について思い出すことがある。そんなとき、私は物語の世界に呼ばれたのだと感じて嬉しくなる。す…

絵本『3びきのくま』について

実家を出てから、今ではほとんど開くこともなくなってしまったけれど、時々ふとした瞬間に─眠る前に母が読み聞かせをしてくれたこととともに─絵本のなかの物語について思い出すことがある。そんなとき、私は物語の世界に呼ばれたのだと感じて嬉しくなる。す…

絵本のなかの世界

幼い頃、母は私にたくさんの物語についての絵本を贈ってくれた。その贈り物は、自身も両親から美しい本を贈られたことが嬉しかったからという母の思いからもたらされたのだった。そうしてまた、私が幼稚園に入ってからもまわりの人間には慣れ親しまずに一人…

地元 鹿児島にまつわる好きな食べ物について

食い意地が張っているのを人に悟られるのがいやで食べ物についてはあまり書いたり語らないようにして来たが、昨年あたりから特に地元鹿児島に関する食に本格的に目覚めてきてしまったので、地元にまつわる好きな食べ物について書きました。 一、さつま揚げ(…

続いてゆくことが苦しい

人生というのはたとえなにかを成し遂げても続いていってしまう。たとえば卒論で評価をもらっても、博士論文が提出できたとしても、好きなもので部屋をいっぱいに満たしても、明日というものは何度でも容赦なくやってきては幸せの絶頂というものを押し流して…

びろうどの部屋について:生まれてきたくなかったこととの付き合い方

生まれてきたくなかった。胎内にいた頃のままでいたかった。こうした欲望とのつきあい方について。 最近は反出生主義の議論も盛んで、ご多分にもれず私もシオランなどに癒しを求めるタイプの一人ですが、生まれてきてしまいながらもまだ何も知らない子供ある…